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- 2018.07.11 Wednesday
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福田和代著(創元推理文庫)。
放火事件と、現場に残された絵画。
火災を食い止めようと奔走する消防士たちと、
被害者と事件の関わりを追う火災調査官。
そんな彼らをあざ笑うかのように、
連続する放火事件と意味ありげな天使の絵。
犯人の意図とは一体!?
副題無しのどストレートなタイトルが示すとおり、
キーワードは、
放火・消防・火災調査・犯罪捜査。
そう、これぞ王道ミステリ!
火災調査官といえば、紅連次郎だよなー。←土ワイ。
ていうか、英一郎だよなー。←船越。
というくらいのスタンスで読み始めたのは、秘密にしておこうか。
2時間ドラマ好きなんだもの……。
『シカゴ・ファイア』(海外ドラマ)も好きよー。
中野京子著(PHP新書)。
このテーマ、
そして、
相変わらず強烈なインパクトかつ正確にコンパクトなタイトルよ。
雑誌連載分をもとにしての刊行。
絵画に描かれた“美”をテーマに、24人。
神話世界の美人、
歴史に名を刻んだ美人、
有名人の創作意欲の対象となった美人。
“美人”という言葉だけで、幸せになれるわけではない。
のし上がる美、
翻弄する美、
利用される美、
無視される美、
芸術とは切り離せない“美”、そして“人”。
この二つを併せ持つ“美貌のひと”。
描かれた24人の美の形、歴史、人生、そのドラマがギュッと凝縮。
既存の著作物でも、
ちょいちょい出てくるようなエピソードもあって、
あーあれね、と思い出しながらでも読める。
ていうか、復習。
けれど、もちろん切り口斬新な新作もあり、
表紙絵に選ばれた“忘れえぬ女”の印象もぐっとくる。
“忘れえぬ”という表現が、本当に言い得て妙なんだなあ、と。
吉田悠軌著(PHP文芸文庫)。
生温かい空気がまとわりつく今日この頃、
こーいうジャンルが活気づくよネ!
てことで、チョイス。
読んで字のごとく、一文で完結する怪談集。
設定をそぎ落とした一文構成なので、世界観はどれも淡々としている。
その平坦さがまた醍醐味。
読み手の想像力が全てであり、
その物語を想起し補完し、肉付けし色を付けた途端、
自らが構築した世界観にゾッとする。
奇妙、不思議、不条理、不審、不安、不穏、不可解、――浮かび上がる恐怖の形。
それは確かに一行にこそ込められているのだが、
同時に、
読み手の想像力が、その感情を選んで、望んで、掘り起こしていると言ってもよい。
私たちは恐怖に怯え、それでも恐怖を欲している。
その事実にも、ゾッとする。
7月には第2弾も出る模様。またゾッとできるゾッ。←うわあ……。